The Catcher on the Street.

 渋谷で一人歩いていたら、キャッチの人に捕まりました。女の人。白いスーツ。


 なにやら絵の展示会?とやらの呼び込みらしく、ラッセンだかヒロ・ヤマガタだか(忘れた)の青い絵のポストカードを渡されて、「すぐそこなんで寄っていってくださーい。今お時間ありますか?」とか言われたので「あ、今はちょっと・・・。」と答えてそのまま過ぎようとしたんだけど。でもこの人ついてくんの。そしてついに俺の足を止めることに成功して、「ちょっと見てくだけでもいいんでー。すぐそこですよー?」と言ったあと、なんかの説明を始めてた。「最近若い人も結構見ていってくれてて・・・」とか。俺はちょっと辟易して、下を向いたら、この人の履いてるサンダルから覗かせている足の爪が、エメラルドグリーン色をしてるのが目に入った。ちょっと笑いそうになった。


 ペティキュア? ペディキュア? どっちだかわからないけど(調べようと思えばすぐできることだけど) これって面白いなぁと思います。好きか嫌いかで言われたら好きではないんですけど。俺、人間の足の指って好きじゃないんです。自分でもなんだかよくわからん嗜好だなと思いますけど。ペ、ディキュア(しょうがないから調べた。pedicure.)を面白いなぁと思うのもそんなところに起因してるのかもと思います。


 ていうか、エメラルドグリーンて。つま先がエメラルドグリーンなんですよ? 考えてみたらすげぇ滑稽じゃないですか?(全然普通なのかなぁ?) 荒唐無稽と言ってもいいと思いましたよ。ここで、「あなた荒唐無稽な足の爪してますね。」っていきなり言ってみたら面白いかもしれないと思いました。勿論言えなかったけど。


 まぁそんな感じで一通りお話を聞いた(聞いてない)後、「やっぱり今はちょっと・・・」って感じで今度はちょっと強引気味(俺的には)に歩きだしたら、すんなり開放されました。これ以上やっても無駄だと思ってくれたんだろうな。ごめんね、無駄な時間と労力とポストカード使って貰っちゃってね。




 どうでもいいけど、さっきpedicureを調べたとき、“足のたこ[まめ]の治療”って最初に書いてありました。へぇー、そういう意味なんだ。